災害対策・街づくり推進特別委員会の視察
<災害対策・街づくり推進特別委員会>で、常総市・鬼怒川決壊箇所を視察しました。
2015年9月7日に発生した台風や前線の影響により、9月10日に常総市若宮戸地先で鬼怒川が溢水し、常総市三坂町地先で鬼怒川堤防が約200mにわたって決壊した箇所です。鬼怒川の河口から21㎞地点の上下100mが決壊し、街が更地になってしまいました。ニュースでも取り上げていましたので、覚えておられる方も多いと思います。ちょうど1年たった常総市は、被害を受け止めて、忘れないように、二度と被害を受けないようにと工夫をしていました。
このあたりの堤防整備率は17%と低く、自然堤防連なっているばかりです。川幅も広く通常には、堤防に立ってみても川面が見えないくらいに水流も少なく、川岸が広がっていました。この川が氾濫するなど想像がつかない、というのが本音です。溢水前の豪雨により4つある鬼怒川上流のダムでは、どこのダムも水量調節を行い、放水を制限していたということでした。また、この地域では前日、消防団の人たちが避難の声掛けに奔走し、堤防に土嚢をする人手もなかったというのが現実だったそうです。ここでも、マンパワーの欠如や高齢化が問題になっていました。
全体の被害は、死亡者2人、けが人など44人、床下床上浸水は約8000件に及んでいます。溢水した場所には8件の家がありましたが、まだ残ったヘーベルハウスの1件と、もう1件の家だけが戻ってきているだけでした。残り6件も戻りたいということで、準備しているということでした。
水害を検証するために「常総市水害対策検証委員会」を組織し、事実に即して客観的に課題を明らかにして、その結果を「地域防災計画」に反映させるようにしたそうです。今年6月には、検証報告書書がホームページにアップされています。その中でおこなったアンケートの一部です。
「鬼怒川の洪水時の浸水・避難状況に関するヒアリング調査」
質問①なぜ避難所等へは避難せずに自宅にいたのか?
46.7%「自宅が浸水する心配はないと思った」
18.9%「浸水しても自宅の2階に避難すれが良いと思った」
15.1%「生命の危険性は感じなかった」
という結果となり、「いかに人は逃げないか!」ということが分かった。ということでした。
質問②ハザードマップの調査は事前に見ていたか?
5.4% 「見ていた」
93.6%「見ていない」
という結果でした。
災害から得た教訓:
①定期的な災害対応訓練が必要
②迅速な対応(早期の情報収集・分析、対応決定)
③人は逃げないものと前提した早めの情報伝達(あらゆる手段を用いる)
④空振りを恐れずに避難情報を発令
上記のアンケート結果をみて、私自身も、自分には被害は及ばないと思っている節のあることに気が付きました。これは江戸川区でも同じことがいえるのではないかと思います。一人ひとりが自分自身にあった避難の情報を常日頃から集め、把握して、「自分の逃げ方」を事前に決めておくことが大切だと思いました。
今回のこの被害では「鬼怒川緊急プロジェクト」が立ち上がり、600億円の支援を国土交通省から得られるようになり、あと3年で90%完成予定ということです。