2018年第3回定例会報告 ① ワーク・ライフ・バランス

2018年江戸川区議会第3回定例会が、9月20日(木)~10月24日まで開催され、「ワーク・ライフ・バランスについて」と「エネルギーについて」の質問をしました。。

江戸川区は、2010年3月、生きる喜びを実感できる都市の実現について、仕事と生活の調和を推進する地域社会を目標に努力を重ねますという「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)推進宣言」を行っています。ワーク・ライフ・バランスと言うと単に仕事と生活のバランスを取ることと考えがちですが、この言葉には、生活と調和を取ることで長時間労働を抑制すると共に、共働きが当たり前となった現在において、男性は仕事・女性は家事というこれまでの性別役割分業論を乗り越え、男女ともに活躍できる職場づくりが求められています。

区のホームページを見ると、区内の事業者に対し、「ワーク・ライフ・バランス推進企業」として毎年1社ないし2社の企業を表彰していることが報告されています。表彰のほかにはどのような取り組みを行ってきたのかを質問しました。

答弁では、ワーク・ライフ・バランスについて、積極的に推進している企業については、融資の優先枠を設置している。子育てや介護については、まだまだ個人的な問題であるが、最近はこう言ったことも企業の責任であるというような認識に変化している。区としてもしっかりと取り組んでいきたい。ということでした。

民間企業への取組も大切ですが、特定事業主として、率先して取り組み、民間企業をけん引していく役目があると思います。

 

私たち生活者ネットワークでは、49市区部において、「男女共同参画に関する自治体調査」を行い、条例・宣言・センターのあるなし、管理職や審議会での女性の割合、男性の育休取得率などともに特定事業主行動計画の検証を含めて調査しました。残念ながら江戸川区は、49自治体中、48位という結果でした。

上位の自治体では、イクボス宣言を行い男性職員の育休取得率を数値目標を立てて行っていることが多くみられ、男女共同参画推進実行委員会を設置し、定期的な広報の発行やフォーラムを開催している自治体もありました。

本区には、「男女共同参画」の条例や宣言はありません。「男女共同参画推進計画」の中で、審議会等においては「区民委員等の委員選出時の男女比に配慮する」とありますが、比率は平均して20%以下です。

2015年に「女性活躍推進法」の施行にともない策定された、江戸川区における女性職員の活躍の推進に関する特定事業主行動計画の検証では、妊娠出産休暇取得人数は増加していますが、妊娠出産休暇平均取得日数、妊娠初期休暇平均日数、および人数は減少しています。また、男性職員の出産支援休暇取得人数は増加しているものの、平均取得日数は減少しています。育児短時間取得人数については、ほとんどの人が取れていません。

一方介護については、短期の介護休暇取得人数は大幅な増加がみられますが、介護休暇平均取得日数は減少しています。これらの結果から、仕事のやりくりや、同僚への遠慮なども含め、職場環境がこれらの休暇を取りづらくしているのではないかと考えられます。

超過勤務においても、月に100時間を超えている職員が年間58人という結果が出ています。これは累計であるため同じ人が何回か含まれているかもしれませんが、月に100時間は過労死の水準です。それぞれの部署においては繁忙期があり、臨時職員を投入するなどして調整しているとのことでしたが、それでもこのような数字となっているのは、恒常的に職員が足りていないと思われます。

2013年に仕事と私生活のバランスをとり、部下の状況を考慮して、キャリアと人生を応援しながら組織の結果を出すためのマネジメントができる管理職の総称を「イクボス」と呼ぶようになりました。調査したなかでは、15の自治体が「イクボス宣言」を実施しています。それらの自治体では、育児休暇などの取得率や女性委員の登用も高くなっていました。

生活時間を取り戻し、職員が輝けるようなワーク・ライフ・バランスを考慮した働き方、区内企業への模範となるべき働き方の実践を求め「イクボス宣言」をしてはどうか?と質問しました。

答弁では、象徴的なことを改めてするよりも、管理職イコールみんなイクボスだということでありたいと考えている。特に宣言することなくても、日々の業務の中で、意識しながら果たしていきたい。ということでした。

しかし、管理職に就いている者が「イクボス」になるということは、自らも仕事と生活を楽しむことができる人であるということです。区の管理職の年次有給休暇の取得は、一般職員14.7日に対して7.1日という結果がでています。こうした状況では、部下のワーク・ライフ・バランスを考えることは難しいと考えます。管理職の仕事自体も見直す必要があると思いました。

管理職を含めたすべての職員の仕事も、見える化や共有するためのアンケートを行うこと、専門家のアドバイスを得るといったことも改善の方法の一つです。様々な仕事のリスクを回避するためのマネジメントを、組織として、どのようにするのがベストな状態であるのか、第三者による評価と分析により、マネジメントしてはどうかという質問には、まずは管理職が自ら考えて、評価し、分析していくことが必要かと考えるという答弁がありました。

次は、エネルギーについてです。