2018年第3回定例会報告 ② エネルギーについて

2018年第3回定例会 エネルギーについてです。

今年9月6日、北海道胆振(いぶり)東部地方を震源とするマグニチュード7の地震が発生し、北海道全域で停電、いわゆるブラックアウト状態となりました。発電所の一極集中と長大な送電網による送電という、現在の電力供給システムの脆弱性が表出したものです。地域で作ったエネルギーを地域で使っていくことの必要性が認識され、エネルギー政策の転換期を迎えていると思います。

国は2016年パリ協定を批准したことを受け、2030 年度には2013 年度比で温室効果ガスを26%、2050 年度までに80%削減するとしています。本区では「第2次エコタウンえどがわ推進計画」において、温室効果ガス排出ゼロのまち「ゼロエミッションシティ」をめざし、2030年度までに排出量を40%削減、そのうちの30%を省エネで、残りの約10%を再生可能エネルギーで達成するという高い目標を掲げました。

現在、私たちが使うエネルギーの大半は、海外から輸入される化石燃料によるものであり、その購入額は2014年には、27.6兆円に達しています。このエネルギー購入額分を、国内で再生可能エネルギーを作り出しているところから調達することで、日本国内で資金を回しながらエネルギーを転換することができます。再生可能エネルギーは、巨額の投資を必要とする化石燃料の発電所に比べれば少額の投資で設置できますし、その工事は地域の事業者によって設置が可能です。

エネルギーの地産地消は、エネルギー自体の流れだけではなく、地域経済をも活性化する可能性を持っています。

本区の都市戦略の基本に「日本一のエコタウン」を置き、区内での再生可能エネルギーを第一に、さらに友好都市などとのエネルギー連携を取り組んではどうかという質問をしました。

答弁では、今後蓄電池の技術やFITの動向などにより変わってくるとは思うが、再生可能エネルギーは天候などに左右されるなどの課題がある。新電力事業については、実例はあるが、まだまだ課題も多い。経済性を見極めながら考える。というものでした。

さらに、ゼロエミッションエネルギーを目指すにあたり、私たち区民一人一人の取り組みも大切です。家電製品を、省エネルギー型などの環境に優しい製品に買い替えることは当たり前になってきました。

そこで、住居を新しく建てるときにも、設計・建築業者が建築主である施主に対して、日常生活にかかる将来的なエネルギーコストを建築費とあわせて提示し、エネルギーについての検討を促してはどうかと考えました。たとえば、外断熱、ペアガラスなどや温室効果ガスの排出量、建物に導入する建築設備の耐久性能及び維持保全に関する事などの環境エネルギー性能について検討できるようにします。あらかじめ光熱費がわかれば、施主は、建築費と合わせたトータルコストを抑制しようとするので、自ずと省エネの建物を選択することになります。

また、再生可能エネルギー設備の導入についても同様です。太陽熱温水器などの太陽熱を利用するもの、天窓や太陽光発電設備などの太陽光を利用する設備、ペレットストーブなどのバイオマス熱利用設備ヒートポンプ空調システムなどの地中熱利用設備などについて、情報提供し、説明をします。

導入にあたり、最初にかかるイニシャルコストは高くなりますが、毎年かかる水道光熱費などのランニングコストは安価になるため、施主はよりよい選択ができるようになると思われます。

このように、新築建物を建てる際に、設計・建築事業者が県境エネルギー性能や再生可能エネルギーの導入に関する情報提供をすることを、区として促す仕組みを設けてはどうかという質問をしました。

 

また、区内では公共施設が更新の時期を迎えています。今後、建築する際にはZEB化というゼロエネルギーを想定しての建物であることが必要です。

ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)とは、断熱性などの躯体性能を飛躍的に高めたうえで、それでも使用せざるを得ないエネルギーについて、効率性の高い空調や、再生可能エネルギーの設備で補うことで、年間に消費するエネルギー量が大幅に削減されている最先端の建築物です。

さらに公共施設の屋根に設置した太陽光発電や、熱利用の活用をモデル的に示すことで、省エネや再エネの普及に進むきっかけにしていくことができます。公共の建築物について、改築する際には、ゼロエネルギー仕様の設計を取り入れることを提案しました。

大変重要であると考えている。導入促進策としても資金の融資あっせんや都の補助金があり、利用促進を図っていく。高性能住宅においても普及啓発に努めていく。という答弁がありました。

 

私たちは、エネルギーはすべて、再生可能エネルギーにしていきたいと考えています。電気は自由化となり、これまで自然独占とされてきた電気事業において、市場参入規制を緩和し、電気料金の引き下げや電気事業における資源配分の効率化が進められています。

単に料金が安い電力会社を選ぶのではなく、その電力が何よって発電されたものなのかを確認し、再生可能エネルギーで発電された電力を選びたいと思います。

以上