「居住支援協議会」の機能充実を~第一回定例会一般質問②

改正住宅セーフティネット法(住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律)が2017年10月施行されています。①住宅確保要配慮者向け賃貸住宅の登録制度、②登録住宅の改修や入居者への経済的支援、③に住宅確保要配慮者に対する居住支援という3つの柱で成り立っています。

東京都においては、2018年3月に住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度を着実に普及させていくため、 住宅セーフティネット法に基づく登録住宅の目標戸数や東京の実情に応じた登録基準等を定めた「東京都住宅確保要配慮者賃貸供給促進計画」を策定しました。

住まうことに困っている人とは、低所得者、障害者、高齢者の他、ひとり親家庭や、児童福祉施設退所者などさまざまです。

たとえば、一人暮らしの高齢者のケースでは、アパートを出ることになり、生活支援もそろそろ必要なため心配していたが、次の住まいは見つけることはできた。しかし、契約の段階になり、自分の兄弟も高齢で保証人となれず結局契約できずに、やむなく高齢者施設に入所したということを聞きました。

また、病気により若くして車いすで生活している方の場合では、不動産屋では室内のバリアフリー情報はあっても、建物自体の入り口のわずかな段差については事前にはわからないことが多い。あらかじめこうした情報まであれば、住まいを探すハードルが下がるということでした。しかし、敷金を通常の2倍支払う現実もあるそうです。

一方貸す側は、火を出されるのではないか、孤独死されたら困るなど、不安を抱えていると聞きます。

住宅確保のための問題は、住宅を借りる側、貸す側、双方にとってさまざまです。

要配慮者の入居を拒まない登録住宅を増やしていくには、借りる側はどのようなことに困っているのか、家主は何が不安なのか、両者の困りごとを洗い出すことが出発点だと考えます。家主の理解を得ることで解消する問題であれば、不動産会社にも家主にもご理解いただくことです。

また、住まいだけの確保では、生活していくことはできません。たとえば車いすユーザーであれば、生活圏内の歩道が広いことや、段差が少ないこと。買い物できる店や福祉サービスの情報など、暮らしていくための必要な情報が事前に届くことが必要です。住まいの安定確保と生活支援を行っていくうえで、住宅部門と福祉部門との連携が欠かせません。

都内に設置された居住支援協議会には、居住支援等を行う民間団体や、学識経験者を構成メンバーに入れるところや、事務局を住宅部局と福祉部局の両部局で作るなどの工夫をしています。

江戸川区では、昨年7月にこの法律に基づき、居住支援協議会が23区で8番目に設置されました。どのようなメンバーなのか、審議した内容、課題について質問しました。

答弁は「協議会に居住支援法人を加えるなどの関係者で知恵を出し合いながら、住宅確保要配慮者の民間住宅への入居促進を図り、協議会の中で必要であれば、学識経験者の登用なども考えていく」というものでした。

障害のある人にとっても住まいを見つけるのが困難な方にとっても、安心して暮らすことのできる住まいは、生きるための最低条件であり、命をつなぐものです。共生社会をめざした取り組みの拡充を強く求め、住まいを貸す側の視点だけではなく、住宅確保要配慮者からの困りごとを、把握し、解決していくことのできる居住支援協議会となるよう要望しました。