江戸川区第2回定例会 1/4 ~ ①公文書条例の制定について
江戸川区第2回会定例会が、6月6日から19日間
開催されました。
今回は、「超党会派えどがわ」を代表して下記の4項目の質問をしました。
①公文書条例について:これまでも特別委員会などで質問をしてきているところですが、昨年には 「不適切事案」が多数発覚しました。犯罪性はなく、以前から慣習的に行われてきていたということではありますが、事実を曲げる行為であると思い、公文書の取り扱いについて質問をしました。
②パークPFIについて: 2023年度よりパーク・PFI(公募設置管理制度)を活用して公園整備を行えるようになり、総合レクリエーション公園などの整備が一部完了しました。しかし、地域住民からは、公園が開放された後にも意見や反対の声があがっています。改めてパーク・PFIを活用することについての質問です。
③終活支援について: 死後の心配をせずに、1人でも安心して暮らし続けられるように、支援することについて。
④学校改築での入札不調について:区政100年となり、ほとんどの学校が改築の時期に来ていますが、工事を受け持つ事業者の入札不調が続いています。どこに原因があるのか質します。
それぞれご報告いたします。
①公文書管理について
「情報公開と文書管理は、車の両輪」といわれます。情報公開制度のより一層の充実が求められる中、区政運営の透明性を向上させ区民への説明責任を果たしていくためには、公文書の適正な管理は不可欠であり、ますます重要になってきています。
2009年には、公文書等の管理に関する法律が制定されています。これは、2007年に消えた年金記録、C型肝炎関係資料の放置などの公文書に係る不適切な事例など、国に対する信頼を失わせる案件が起こったために制定されたものです。
地方公共団体においては、必要な措置を講ずる努力を課すとなっているため、本区では「江戸川区行政文書管理規則」と「説明責任を果たすために」という副題のついた「文書事務の手引き」が策定され運用されています。
「文書事務の手引き」の位置づけには、「単に区の内部の事務処理上のルールを定めたものではなく、住民等との共育・協働を支え、住民等の知る権利を保障するために、どのように文書管理を行うべきか、ということを定めたものである」ということも記されています。公文書は、行政の意思決定過程や事業の実績を記録したものであり、住民の判断材料や行政の判断の根拠として重要な役割を果たすものです。
「区政運営の情報は区民の財産である」という基本的な認識の下にある情報を記録した公文書は、適切に管理され、資料としての保存や利用等がなされるようにする責任が区にはあると考えています。また運用面のチェックとして、本区においても監査があり、監査委員による監査がなされているわけですが、昨年には数年にわたり監査の目をのがれ、不適切に分割発注されていた事案が発覚しました。
学校施設工事案件からは145件、全庁調査においても55件発生しています。事業者との癒着が疑われる事実はなく、誤った認識で慣習的に行われていたというものですが、「事実を文書として正しく起草していなかった。」ということが言えると考えます。
文書管理の不備は、行政の信頼性を損ないかねないものであり、文書の適切な起草と管理は大変重要です。公文書管理法において公文書は「行政機関の職員が職務上作成し、または取得した図画及び電磁的記録を含む文書であって、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして保有しているものをいう」となっており、助言などの指導を受けていない個人的な起案文や個人的なメモやメール、パソコンのファイルなども含まれています。
一方江戸川区は、江戸川区の規則の中で行政文書として定義されています。
規則は、行政機関の長が制定するものであり、議会の議決を必要としません。そのため、規則のみでは、文書管理の運用が担当者任せになってしまう可能性があり、今回のような前任者、前々任者からの前例主義になってしまう可能性があるわけです。
公文書の不正な破棄や改ざんを防止するための第三者機関や監視体制が機能することが重要ではないかと考えます。
東京都には「東京都公文書等の管理に関する条例」があり、「公文書」と定義して、規則で委員会が設置され、公文書の管理体制が整備されています。そして、この条例に基づいて知事は毎年度、公文書の管理状況の概要を公表しているわけです。
行政の健全性を保ち、不正の未然防止は、住民の信頼を得るため、行政の透明性を確保するため、そして健全な民主主義を支えるために、公文書管理条例を制定し、公文書管理委員会などの第三者機関を設置すること必要ではないかと考えるため質問しました。
※写真は、札幌市公文書館です。札幌市は、特定重要公文書を整理・保存し、市民のために供している文書館です。市民の調査研究に応じ「市民の知りたい」に応じてくれます。