江戸川区第2回定例会 2/4 ~ ②公園事業のパーク・PFI事業について 

②公園事業のパーク・PFIについて

江戸川区では2023年度より、パークPFI(公募設置管理制度)を活用し、総合レクリエーション公園などの老朽化に対応したリニューアル事業を開始しました。江戸川区都市計画マスタープランにもあるように、葛西地域南部の将来像である「海をのぞみ、水と緑に人々が集い、多様な交流が広まるまち」をめざしています。パークPFIは、民間の資金やノウハウを導入し、公園内に店舗などの収益施設を設けることで、整備・維持管理費の一部を補うとともに、公園の魅力やにぎわいの創出を図るものです。

今年1月には「子供の広場」「ファミリースポーツ広場」「新左近川親水公園」での整備完了とともにオープンセレモニーが行われました。しかし、実際には整備が完了したとは言い難い状況が続いています。特に「子供の広場」と「ファミリースポーツ広場」では、8月には開店を予定しているとのことですが、売店となる建物には今も“COMING SOON”と書かれた貼り紙がされたままになっています。

また、「新左近川親水公園」では、当初レストランが入るとされていた場所に、フィットネスジムを併設したレストランが開業しました。 レストランはお休みでも、フィットネス会員へは使えるように対応されています。周囲の住民からは、会員制のフィットネスジムとしか見えません。

地域住民からは「公園に会員制施設? なんで?」といった疑問の声が上がっています。また子供の広場では、「子供の広場って名前なのに、お酒を売るの?」「以前は保育園がよく遊びに来ていたけど、最近見かけないね」と話していました。

 

一方「お店が出来て良かった」「遊具が増えてうれしい」「トイレが新しくなってうれしい」という声

綺麗になったトイレ

も届いています。しかし先日、トイレの警報ブザーが長時間鳴り続けており、管理事務所に連絡したら「担当がいないのでそのままにしておいてください」と言われたとの報告もありました。「新しくなっても、掃除がされていないトイレは使いづらい」との指摘も寄せられています。

 

公園は、新しくすることだけが目的ではなく、誰もが気持ちよく、安全に使える空間であり続けるように維持することが必要です。

パークPFIは、20年という長期にわたる官民連携事業です。制度自体は、公共施設の財政的な持続可能性や利便性の向上という観点が有効な手法であると考えられている一方で、民間事業者の採算性と、公園が本来持つ公共性とのバランスが難しく、特に“誰のための公園か”という点で明確な方向性を持たなければ、地域の信頼を失う危険があります。

世田谷区の二子玉川公園では、整備前から地域住民とともに検討会や意見交換を重ねて公園のあり方を考え、整備後も「公園サポーター制度」を導入し、利用者自身が公園の管理・運営に関わる仕組みが機能しています。 単に、意見を聞くだけではなく、事業期間中を通じて、住民の声が制度に反映され続ける仕組みがあってこそ、公共空間の信頼性と魅力が持続できるものと考えます。

こうしたことから、本区のみどりの基本計画とPARK-PFIとの「にぎわい」の整合性や事業者との契約の中で、公共空間としての公園の公共性や公平性をどのように担保しているのかと質問しました。