2022年1定 ④消費者教育について~~若者への消費者トラブルを防ぐために~~

④消費者教育について

2022年4月より、成年年齢がこれまでの20歳から18歳へと引き下げられます。

これまでは保護者の同意が必要であった契約行為、例えば、ローンを組む、カードを作る、アパートを借りるということも、18歳になれば可能になります。民法では、未成年者が親の同意を得ずに契約した場合に、取消しを可能にする「未成年者取消権」を定めていますが、18歳になると適用されなくなります。

2021年の消費者白書での、15歳から19歳までの若者の相談では、男女共に「脱毛剤」や「他の健康食品」等の美容に関する商品の契約の相談が多く、20歳から29歳までは、性別を問わず、一人暮らしのトラブルと考えられる「賃貸アパート」の契約が上位にあがっていました。

本区の消費者センターに寄せられる契約相談の契約当事者の年代別割合では、2018年には、全体の半数程度を60歳以上が占めていましたが、それ以降は年々減少し、20歳未満及び20歳代のインターネットゲーム課金のトラブルが増加しています。便利になった一方で、「お金」が見えなくなっています。

成年年齢が引き下げられることで、さらに消費者トラブルが増えることが予想されます。

お金について学ぶ機会が必要であると考えます。

「消費者教育の推進に関する法律」には「消費者教育は、消費生活に関する知識を習得し、これを適切な行動に結び付けることができる実践的な能力が育まれることを旨として行わなければない」と、消費者教育の推進に係る法律の第3条にはあります。

さらにその第3項では、「幼児期から高齢期までの各段階に応じて体系的に行われるとともに、年齢、障害の有無その他の消費者の特性に配慮した適切な方法で行われなければならない」とあります。

キャッシュレス決済が進み、金銭の管理の仕方が多岐に渡るようになりましたが、トラブルに巻き込まれないためには、予備知識が必要です。現金のみの管理の時には、保護者の知る範囲で済みましたが、現在のトラブルは大変巧妙になってきています。

江戸川区の現状について消費者センターでは、相談の他、消費者教室、講師派遣などを行い、意識啓発に努めていますが、若者向けの意識啓発の現状と今後の未然防止に向けての若者への対策を求めました。

また、学校教育でも取り組みが必要です。すでに小中学校でも、学習指導要領にそった「消費者に関する教育」が家庭科や社会科の授業の中でも行われていますが、実際どのように行われているのか。教員には、別途講習などが必要になっているのか。ということや被害を未然に防止するために、消費者センターの出前授業や東京都が育成している東京都消費者啓発員コンシューマー・エイドを講師として派遣を求めるなど、専門家を登用して、授業だけではなく、直近に起こったトラブルなどを交えながらの取り組みにするために、教育長に見解を求めました。

まずは、区の見解として生活振興部長から「江戸川消費者センターでは、「くらしの豆知識」の中で、若者向けの特集を組んで対応している。また、専門学校や区内企業へは直接出向いて意識啓発を実施している。未然防止については、教育プラザのSNSの活用や、区内の高校と連携して職員を派遣するなど直接届くように対応していきたい。」という回答がありました。

若者に直接届くように様々な方法・ツールを使用することが大切だと思います。消費者庁のホットライン188や、LINE相談の消費者庁若者ナビなどの周知も合わせて行うことを要望しました。

教育長からは、「学習指導要領に基づいて授業の中で行っている。外部との連携については、学校で判断する。」という回答でした。 

生活全てに関わってくる課題です。学齢に応じた学びを繰り返し、専門家を起用しながら行うことを要望しました。

 

以上