江戸川区スーパー堤防事業差止め等請求訴訟 第1審判決

2017.1.25

江戸川区スーパー堤防事業差止め請求訴訟第一審判決

東京地方裁判所(裁判長岸田日出夫)は、江戸川区スーパー堤防事業差止め等請求訴訟に対し、請求棄却(一部却下)の不当判決を言い渡しました。

10時から始まり、1分かかったでしょうか、裁判長が主文を読み上げて終わりました。

その法廷の被告席にはだれもおらず、傍聴席に被告当事者が座っていました。このようなこともあるそうですが、たいへん不誠実に思えます。

この裁判は、2014年11月12日、国に対してスーパー堤防事業に係る盛土工事の差し止めを求め、また、国及び江戸川区に対して違法なスーパー堤防事業により原告らに生じた精神的苦痛への賠償を求めた裁判です。

判決は、盛土工事の差止請求については、盛土工事がすでに完了していることから、訴えの利益がないということから却下され、国と江戸川区に対し慰謝料の請求について、盛土工事は国が江戸川区の有する土地区画整理法100条の2の管理権に基づいて付与された工事権限に基づいて施行されたものであるため適法であるとして、原告らの請求を棄却しました。

スーパー堤防は、高規格堤防といい、堤防から、その高さの30倍の長さで区域の土地を緩やかな斜面にし、その上に住宅などを建設するものです。事業開始から24年が経過した2012年の段階で5.6%しか完成しておらず、完成までには400年、費用は12兆円を必要と試算されたものです。

そもそもこの盛土工事が行われた土地・江戸川区北小岩1丁目東部地区は、区内でも海抜の高い土地であり、これまで江戸川の堤防が越水したことはなく、この地区でのスーパー堤防事業の必要はありません。そこを、住民を移動させて盛土を行い区画整理を行ったというものです。

2度の転居を強いられること、また移転下住宅を取り壊す騒音による住民への肉体的・精神的苦痛は計り知れません。

このたびの不当判決を、原告団・弁護団は、本判決に強く講義するとともに、速やかに控訴する予定であるとしています。今後も応援していきます。