2018年第1回江戸川区定例会一般質問② 容器包装プラスチックについて

容器包装プラスチック、リサイクルについての質問です

プラスチックを分別することになって10年を経て、改めて分別することの意味や決まりを共有しなければいけないと思いました。

これまでも家庭から出される廃棄物に関して、ごみの削減や資源の分別についての質問をしてきましたが、容器包装リサイクルをすることによる、自治体の負担はたいへん大きくなっており江戸川区でも、約5億円をかけてリサイクル事業に取り組んでいます。こういった費用のことについても住民にも情報を共有することで、住民一人ひとりがきちんと分別する意識の啓発になると考え質問しました。

プラスチックを燃やすことで、ダイオキシンや重金属のような有害物質が発生することについては、3年に1度、松葉を採取し、その葉をカナダの分析機関に送って、その葉に含まれている有害物質を分析測定するという支援をして、経年で測定しています。活動を通して、プラスチックごみの発生を抑制することが、なによりも大切である考えます。

2017年3月の江戸川区家庭ごみ組成分析調査報告書では、燃やすごみには、リサイクルできるプラスチックが推計で、6923トンも含まれており、資源として出されているプラスチックの約2.6倍にもなり、区は、分別収集を促進する普及啓発活動が必要という課題を挙げています。この数字は、決して小さな数字ではありません。分別されている資源の量がここ数年横ばいであることは、分別を意識して行っている住民が一定程度いても、それが増加には転じていないということだと考えています。

容器包装プラスチックは、中間処理場である「江環保エコセンター」に集められ、処理されます。容器包装プラスチックは、ベールと呼ばれる1m四方の立方体状に圧縮されて、リサイクル事業者に渡されます。ベールの品質調査は、①収集袋は全て破られているか、②汚れのない品質基準を満たした容器包装の比率が90%以上か、③危険品または医療廃棄物の混入や、リサイクルのできない禁忌品の混入はないかという3項目で行われ、すべてAの最高の評価が2年間続いています。前年度を評価して、容器包装プラスチックをリサイクルした後に、リサイクル協会から分配される再商品化合理化拠出金は、昨年は800万円、今年は1253万円となっています。

最高の評価を得る一方、地域では資源ごみの袋の中に一つでも汚れたものが入っていた場合、その袋ごと燃やすごみにしている回収担当者を見受けたり、集合住宅では住民がきちんと分けたつもりで資源として出していても、管理人が可燃ごみと一緒にしてしまう、といった住民からの声が上がっています。これは、住民と処理担当者や管理人に同じ情報が正確に届いてないか、それぞれの理解にずれがあることが原因だと思います。

容器包装プラスチック協会が示している基準に照らせば、レジ袋の中に、他の容器包装プラスチックをいくつか入れて縛り、そして、大きな半透明の袋にいくつも中身の入ったレジ袋をいれて資源として出した場合、それは袋が破れていないので、不適切とみなされます。また、クリーニング店が衣類にかぶせてくれるビニール袋は、単にビニールであって、容器包装プラスチックではありません。

そういったことを正しく理解している住民はどれくらいいるでしょうか。こうした理解のずれが、住民のリサイクルに対する意欲をそぐことにつながるのではないかと懸念しています。

きちんと分別し、トリプルAをとることは大事な考え方ですし、収集の段階である程度仕分けすることも大切だと思いますが、容器包装プラスチックに含まれる異物の勧誘を避けるためには、住民に、作業員と同じ情報をわかりやすく図や写真を用いて広報や周知、説明を行うことではないかと思い質問しました。

答弁では、実態は、横ばい状況。家庭ごみ組成分析調査報告書を公表するとともに、廃棄物減量等推進審議会においても毎年報告している。さらに分別するために、組成分析調査の結果をホームページなどで広く周知するというものでした。

無意識のうちに当たり前にもらっているレジ袋や便利に誓われている容器包装プラスチックですが、風で飛んでしまったり、放置することで河川や海でのごみとなり、魚が誤飲し、海岸に打ち上げられている写真が報告されています。リサイクルできるものは、一つでも多くリサイクルして、ごみを削減していきたいと思います。