子育て教育力向上特別委員会 <水泳 ぜんそくの子どもたち>

子育て教育力向上特別委員会がありました。

1960年のローマオリンピックの100m背泳で銅メダル、1964年の東京オリンピックでは第4位の竹宇治(田中)總子さんに、区内で行っている、ぜん息の子どもたちのための「風の子水泳教室」についての講義です

 

<水泳・ぜんそくの子どもたち>

区内では、1985年にサト子水泳教室、1989年から風の子水泳教室として開催。

もともとは、国立福岡大学の三島先生と、福岡市で始めた水泳教室でしたが、夫さんの転勤により、江戸川区に引っ越してきたことがきっかけで江戸川区でも始まりました。

※江戸川区 2019年の気管支喘息罹患者数  小学生:1440人 (全小学生34659人のうち)

                     幼稚園:8人(全243人のうち)

区内2か所のプールで始める。

2019年度:小岩アーバンプラザ     西葛西スポーツセンター

     毎週火曜日 年36回     毎週木曜日  年36回

     泳力により4班体制      泳力により6班体制

     コーチ6名          コーチ7名

     医師1名 看護師1名     医師1名 看護師1名

     登録:51名         登録:76名

     参加人数:延べ1324名    延べ2000名

※プールに入る前に、コーチたちと体調の確認をしてピークフローメーター(気管支の状態を測るもの)で息の速さを測り、必ず医師の診断を受けてから、プールに入る。

※風の子水泳教室の子どもは、ピンクの水泳帽をかぶり、わかりやすいようにしている。

※年に1回辰巳のプールで、全員が泳ぐ機会を設けている。

 

◎ぜん息児水泳教室運営のポイント

・保護者の理解と協力:初回の説明会が重要

・医師、看護師の恒常的な確保:医師会等の理解と協力が必要

・コーチの指導力の充実・事後防止の取組:一般のスイミングスクールとの差

・コーチ全員で全員をカバーする。教室後にコーチ全員でミーティングを開き共有する。

・行政の効果的な支援が必要。

 

※現在の子どもたちの体力は、全体的に落ちてきている。

※体力をつけるだけでなく、心も養えるような、言葉だったり、態度だったりを工夫している。

(配慮のある態度や言葉が大事:心の無い「がんばれ」ではなく、言葉はなくても笑顔で応じるなど。)

 

まとめ

1942年生まれの竹宇治聡子先生は、今もプールに入っているそうです。とても元気で、チャーミングなスポーツマン(スポーツウーマン?)でした。

ぜん息の子どもたちへ水泳を教えることになったのも、お人柄からくるものだと思います。私も医師の判断で、小学校3年生の時に夏のプールに入れなかったことを思い出しました。プールサイドに見学していることの暑さとつまらなさはよく知っています。

その30年前の子どもと今の子どもでは、待ち時間などではゲームや携帯を放さない、顔を見て話さない、などだいぶ様子が違うそうです。どこか空虚なところがあるため、体力をつけるだけではなく、心も養えるような工夫をしているそうです。単に言葉だけの「がんばれ」ではなく、その子と正面から向き合った笑顔など、心が通じることが大事だそうです。

風の子水泳教室は、何よりも毎回医師の診断をしてからプールに入るということが、保護者も子ども自身も安心できます。コーチの配置も2~3人に一人としており、最新の泳法も学べます。また、泳ぐことを覚えるだけではなく、心のよりどころとしても、居場所になっているようでした。

23区では、台東区、足立区、大田区、中央区、豊島区が同じようにぜん息の子どもたちに無料で水泳教室を行っています。江戸川区が先駆けとなり、始まった水泳教室。

たくさんの喘息の子どもたちに参加してほしいと思いました。

 

2018年の新春対談では、前多田区長と対談されました。

https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e004/kuseijoho/kohokocho/kohoedogawa/h30/201801/300101/index.html

 

公益財団法人 日本オリンピック委員会には、託児聡子先生のコラムがあります。

https://www.joc.or.jp/column/athleteinterview/legend/03takeuji/html/index.html