ジェンダーとはなにか? 東京・生活者ネットワーク シンポジウム2021

東京・生活者ネットワーク シンポジウム2021

ジェンダー主流化とは何か

~コロナ禍のいまだからこそ実現したい誰もが生きやすい社会~

と題してシンポジウムが行われました。

 

20年来死語となっていた「ジェンダー」という言葉が、なぜ今クローズアップされてきているのか。生活者ネットワークが、なぜ女性議員を創出し、身近な地域の問題を議会へつなげているのか。議会に生活者ネットワークがなぜ必要なのか。再確認する機会となりました。

 

1部:シンポジウム

進藤久美子さん(東京英和女学院大学名誉教授・アメリカ史、ジェンダー・スタディーズ)

「ジェンダー主流化とは何か/政治分野における女性の参画促進」

◎女性議員増加に向けてどのような取り組みが必要か―アメリカに学ぶ 

・女性の政治参画を通して、あらゆる政策にジェンダーの視点を組み入れることが必要。

・社会を持続可能で多様性のある社会に変えていくためには、女性の意見が反映されていくことが大事。

 

竹信美恵子さん

(ジャーナリスト、和光大学名誉教授・非正規労働と貧困、差別、無償労働問題)

 「コロナ禍で現れた雇用の不平等」

 ・低所得者のための相談会を企画し「はむねっと」というホームページにまとめている。   

   https://nrwwu.com/category/topics/

 ・1994年にジェンダーという言葉が生まれる

 ・現在は、男女の格差にさらに貧富の格差が生じている。(非正規公務員の3/4が女性)

 ・夫セーフティネットを使えない人は非正規雇用のうち6割 → 期間終了という名の解雇 → 細切れ雇用のニーズが高まってくる → 家賃が払えなくなる → ネットカフェなどへ・・・ こんな現状があるのに、「女性は家賃に困っても多めに見てもらえていいよな」という声が、平気で出てくる。とんもない間違いである。

 ・休業雇用支援金は、非正規の人には届かない。

 ・女性への差別や貧困の状態を知っている政治家が必要。

 

中北浩爾さん(一橋大学教授・日本政治外交史、現代日本政治論)

「選択的夫婦別姓当事者の話として」

・朝日新聞に夫婦でインタビューを受けた。

https://www.asahi.com/articles/ASL4D45PWL4DUPQJ001.html

 ・まったくの政治の問題で、一般の日常では、子どもも近所も不便はなかった。

 ・2016年に病気をしたときに、事実婚だと病院では医師から話をしてもらえないということが起こり、中北の姓に変えてもらい、結婚という形態をとった。

 ・名前を変えると仕事上の負担が大きくなる。

 ・夫婦別姓について25年変わってきていないが、世論は賛成が増えてきている。(社会の意識が変わってきているのに政府が認めない。認めない科学的な根拠がない。)

 

◎シンポジウム:司会:中北さん

Q:「ジェンダー」という言葉は、20年間死語となっていたが、なぜ今ジェンダーなのか?

A:目指すものがしっかりしていれば、生活の中で、自己主張できていればいいと思うが、経済格差のある競争社会の中では、女性が社長となったとしてもこれまでの男性社会と同様なことになってしまう。男女問わず、意識を変えていかなければならない。

Q:クオーター制でなくても、アメリカのように自発的に、政治家の男女比がかわらないようにできるのでは?

A:アジアでは、韓国がクオーター制になっていて、すべての議員が政党に所属している。お金がなくて声があげられないということがない。貧困であったり差別を受けている人たちの中には、「自分には、政治は関係ない」という人がいるが、物事を変えていくが政治。今の日本には、女性を平等に扱う社会ではない。

Q:突破口はどこにあるのか。どう取り組んだらいいのか。

A:問題がどこにあるのか、ということを見えるようにしていかないといけない。

今回のコロナ禍で、シングルマザーとDVの被害者へのフォローをしてきたシェルターネットなどのたくさんの団体がアンテナを張って、ずいぶん助けてきた(防いできた)ということがあるように、地域の団体と行政が連携して課題を見えるようにすることが必要。

 

朝倉むつ子さん(早稲田大学名誉教授・労働法・ジェンダー法)ビデオレター参加

「女性差別撤廃条約の個人通報制度実現~裁判を変えるために 国連への個人通報を実現しよう」https://www.facebook.com/opcedawjapan/

 

総合司会:山内れい子(都議会議員):2011年の大震災の時に、女性が意思決定に参画していないと、何も変わっていかないということを改めて感じました。今回のコロナ禍で、学校の一斉休校の時に性的役割分担の脅威が女性たちの中にうかびあがり、これを変えていかなくてはいけないと強く思いました。女性のエンパワメントは、社会を活性化させるということを改めて考えました。

 

2部:2021年都議会議員選挙候補予定者発表

候補予定者発表と決意表明、そして世田谷区保坂区長の応援メッセージをいただきました。

杉並区選挙区 小松久子(前都議会議員)、

世田谷区選挙区 関口江利子(東京・生活者ネットワーク 都政担当政策委員)、

北多摩第2選挙区(国分寺市・国立市)岩永やす代(国分寺市議会議員)

 

詳しくは、こちらへ https://itohitomi.seikatsusha.me/blog/2021/05/06/1573/