2021年第2回江戸川区議会定例会の議案審査~~総務委員会~~ 

江戸川区では、定例会に上程される議案は総務委員会で審議されます。

第2回定例会では、江戸川・生活者ネットワーク発足当初から求めてきた「子どもの権利条例」や「子どもの権利擁護委員設置条例」「ともに生きるまちを目指す条例」などが上程されました。

 

第44号 ともに生きるまちを目指す条例

『江戸川区、区民及び事業者が目指すまちの姿を明文化し、区の責務並びに区民及び事業者の役割を明確にすることにより、だれもが安心して自分らしく暮らせる共生社会の実現を図るため、ともに生きるまちを目指す条例を新たに制定する』というもの。

パブコメの結果は、18名の方から69件の意見提出があったということでした。区としても区民の意見を取り入れ、よりよいものとしていることが伺えましたが、この条例を作るにあたり「未来カンファレンス」という区が選んだ人たちからなる会議体での検討がもとになっており、一般区民の意見が十分に反映されているとは言えないのではないかと思います。

「私たちは」で始まり、「ともに歩もう」という理念条例なのに、区民と事業者に向けた4条と区に対しての7条では最後の言葉には、温度差も感じられます。条例自体に反対しませんでしたが、「区民との協働」を謳う江戸川区なのですから、当然「私たち」という前文のことばには区民と区が含まれているはずです。条例を策定する過程から区民参画の機会を作るべきだったと思いました。

 

第45号 江戸川区公共調達基本条例の一部を改正する条例

条例の名称を『江戸川区公契約条例』とし、内容も江戸川区が締結する契約及び指定管理者との協定において、労働報酬下限額を設定し、労働者等の労働環境等の確認等を行うことにより、労働者等の適正な労働環境等を確保し、公契約制度の充実を図るために改正するものです。

公契約として範囲を広げたわけですが、多くの事業が安定したものとなるように、定期的な見直しをすることを求めました。

 

第49号 江戸川区子どもの権利条例

子どもの権利に関する基本的な考え方を示すとともに、全ての子どもたちにとって最善の利益を図ることができるまちづくりを進めることを宣言するため、江戸川区子どもの権利条例を新たに制定するものです。

この条例を、子どもたちだけではなく大人へも知れ渡るようにいろいろな方法での周知を要望しました。それぞれの学齢に合わせたリーフを作るなどして、子どもたち本人が理解することが大切だと考えます。先生方、幼稚園、保育園へも必要です。学校へ行っていない子どもにも目に留まるように周知することを要望しました。

 

第50号 江戸川区子どもの権利擁護委員設置条例

江戸川区子どもの権利条例の規定に基づき、子どもの権利侵害から速やかに回復を図るため、区長及び教育委員会の付属機関として、江戸川区子どもの権利擁護委員を設置するものです。

権利擁護委員は、はあとポートとの関係性が大変重要になってくると考えられます。権利擁護委員の機能が最後の審判のような形になってはしまわないかと懸念しています。権利擁護委員を設置するにあたり、親からの相談も受け付けたり、世田谷区の「せたホット」や西東京市の「ほっとルーム」のような機関となり、お知らせやニュースなどを定期的に発行できるようにすることも必要だと考えました。子どもが権利侵害をうけることがない社会となることが望まれます。

 

第51号 江戸川区児童発達支援センター条例

江戸川区篠崎育成室を廃止し、児童福祉法に規定する児童発達支援センターの機能を有する施設とするもの。

どのような障害をもっていても、できるだけ一般の保育園や幼稚園での受け入れが進むことが必要だと考えています。保育所等訪問支援を積極的に提供し、インクルーシブな社会を構築していくことが必要だと考えていますが、新たな課題は、例えば、知的には問題はないが、気管切開をしており、医療的ケアが必要な子どもたちです。医療的ケアの提供体制が整っていないために、在宅で過ごしている親子もいます。民間でカバーできないところを担っていく必要があるのではないかと考えています。

区長は、本会議では共生社会を「ごちゃまぜの社会」と表現されていましたが、まさにその通りであり、障害をもっていてもいなくても、尊重され同じ社会の中で生きていけることが共生社会だと思っています。

 

第52号 江戸川区保育所条例の一部を改正する条例

待機児童の解消を図るために、江戸川区立共育プラザ葛西の敷地内に江戸川区宇喜多第二保育園分園を新たに設置するというもの。

以前には必置であった野外で遊べる園庭が、現在ではなくても設置できることになったことにより、日中の街中では園児を連れて歩く姿を見ることが多くなりました。地域の方とのコミュニケーションも行われ、ほほえましい光景もありますが、子どもの育ちには環境がとても大事です。砂場があったり、水遊びができるスペースがあったあり、ということが大切になってくると考えます。敷地を共育プラザと共有するとはいえ工夫を要望しました。また、新たに建設する園舎については、脱炭素社会への第1歩になるような、木造建築物とすることも要望しました。

 

予定では、昨年度に制定されることになっていた「子どもの権利条例」など、コロナ禍の影響を受け、想定した検討が出来なかったこともあったようですが、江戸川・生活者ネットワーク発足以来の念願の「子どもの権利条例」が制定されたことは、大変うれしく思います。しかし、作っただけではだめで、育てていかなくてななりません。

江戸川区の子どもたちの権利が侵されないように、大人へのフォローはもちろん、子どもたちへのフォローを私たちも見逃さないように常に心していきたいと思います。