「議会改革の取組」と「新庁舎の議会フロア」の視察

名古屋市議会議場

2024年第4回江戸川区議会定例会が終わり、ひと段落したところで、議会運営委員会では、

名古屋市議会に「議会改革の取組」と大垣市議会に「新庁舎の議会フロア」について視察を行いました。

 

<名古屋市議会>

名古屋市では、2010年に名古屋市議会基本条例が制定されています。

「市民が主人公であり、市民に開かれた議会を目指す。議会と市長は、ともに市民からの直接選挙された、独立対等な関係に建ち、行政の的確なチェックと市民の要望を反映した政策の実現を目指す。「討議の場」である議会の審議の充実を目指す。」をコンセプトにしています。

制定のきっかけは前市長の公約ということでしたが、2009年から基本条例制定についての勉強会や研究会を行い、その中で分科会もつくり市民からの意見徴収を行い、条例を制定していました。「インターネット中継」や「なごや子ども市会」「市会広報ポスター」などが実現していました。

しかし、議会報告会については、2010年、2012年に開催して以来開催していません。その理由は、「議会報告は政務活動費の活用などにより、政党または個人が行うべきもの」ということで議会報告会の開催経費を市が認めないためでした。どのような報告会であったのかは、議事録や資料だけではわかりませんが、開催時のアンケートでは、80%が、開催されたような議会報告会を「今後も開いてほしい」というものでした。

全体での議会報告会は、議会の報告が偏ることなく市民に伝わるものと考えます。また、各会派で考え方の異なることがらについても確認できる場となるのではないかとも考えられます。ぜひ報告会を開催して欲しいと思いました。江戸川区においても同様のことが言えます。議会全体としての議会報告会の開催をこれからも求めていこうと思います。

また、議場も見せていただきました。

昭和8年に竣工した3代目となる現在の名古屋市庁舎は、小桜という国会議事堂でも使用している大理石を使用するなど、西洋的な建築様式と日本の要素を取り入れた昭和初期の代表的な建築物で国の重要文化財に指定されています。議場は、円形となっており「円滑に会議を進められるように」という思いが込められているそうです。傍聴席は、356席、車いす席は6台分ありました。Wi-Fiは、重要文化財のため導入するのが大変だったとうかがいました。

大垣市議会議場

 

<大垣市>

大垣市の新庁舎は、設計会社が江戸川区と同じで、2019年に竣工しています。

議会フロアは、議場も、控室も7階となっていました。

議場は、対面式で本区と変わりませんが、議長席の段差には、電動昇降機が設置され、演壇には昇降機能をつけ、発言者の背の高さや車いす利用者に配慮したものになっていました。また、議席の椅子が可動式となっており、車いすにも対応できるようになっていました。さまざまに工夫がありましたが、大きな違いは、委員会室が1つであることでした。委員会は、それぞれ重ならないようにスケジュールを組んであるため必要がない、とのことでした。

また、現在の本区の議会フロアのように、カードリーダーなどを使用したセキュリティ対策が行われていないことも特徴的でした。大垣市の人口は16万人弱。本区とは人口規模が違うとはいえ、江戸川区でも新庁舎になっても、これまで通り、市民も自由に入ってこれる議会フロアが望ましいと考えています。大垣市が、セキュリティ対策をもうけていないことを伺って、うれしく思いました。