東京・生活者ネットワーク 2021都議選!報告会 ②
2021都議選!報告会
◎2021都議選結果を受けて~~坪郷實先生(早稲田大学名誉教授)
~~レジメより~~
Ⅰ2021年都議選の特徴と政策 課題、生活者ネットの課題
特徴:自公政権への批判からマスコミには「勝者なき戦い」という言われた。
・今回都民ファーストは、投票日の前日に小池都知事が入ったことで風向きが変わった。
・低投票率42%。女性候補者、当選者ともに過去最多となった。
・女性が3割を超えたことで、議会が変わっていくだろうと言われている。
・オリンピックパラリンピックの中止か延期か、コロナ感染対策などへの不満は明らかであった。
→衆院選の前哨戦:自公(連携)で過半数を獲得できない
共産・立民(選挙協力)は、議席増も、勢いもない
→都民ファーストのゆくえは、約4割の支持者を失った。小池都知事のテコ入れで第2党になった。
→国政・国政政党、都知事の動向に振り回される中、生活者ネットワークは1議席にとどまる。
→敗北をきっかけに、ネットの政治理念を確認し、政策実現のための組織運動の再構築を!
Ⅱ政策課題:社会経済構造の劇的な展開の時代
→世代を問わず、多様な市民の誰もがその人らしく暮らせる地域をつくるための政策づくりを推進。地域の医療等の拡充など。→同時に克服することを考える。
→気候危機とコロナ危機→持続可能な経済社会へ移行するための政策、構造転換
→地域の医療・福祉・海保体制の拡充整備他
→状態かする災害に対する減災政策
→ケアラー支援条例など
→再生可能エネルギーの拡充 食の安全と都市農業
→ジェンダー平等・こども政策など
グリーン・リカバリー(緑の復興):これまでの経済社会の構造を変えるようなことを持続的に行うことが重要。
気候危機の観点から見直すこと
→2019年よりヨーロッパ連合(EU)のヨーロッパ・グリーン・ディール
多年次財政枠組み(EU予算)とコロナ復興基金、気候保護・環境、デジタル化を重点に
Ⅲ生活者ネットの課題
存在意義:市民・市民活動と自治体をつなぐネットワーカーであり、コーディネーターである。
市民的専門性を持つ議員
→ネットワーク型 地域政党・ローカルパーティ―
市民と共に調査、政策提案する政治スタイル。市民自治・生活者の政治
女性議員の拡大。先駆的な政策提案。
→市民活動(NPO、生協、ワーカーズ・コレクティブなど)のネットワークによる
(独自調査に基づく)政策提言活動が大事
→ローテーションについて
・現在は、実現できないことが多くなっている。議論が重要。
Ⅳ政策実現のための組織運動の再構築
①一連(区議選・市議選・統一自治体選・都議選)の選挙キャンペーンの本部体制の恒常化
4年6年のタームとして行っていく。戦況の変化は、選挙前の1,2年では遅い。
②地域ネットの中期計画
日常活動(調査、政策づくり、議会活動、選挙キャンペーン・SNS)のボリュームの拡充戦略のために、
目指す地域構想と重点政策・選挙戦略・議会活動が必要
③テーマを設定し、複数の自治体で調査研究・政策提案活動のキャンペーンを行う。
④議員候補者・議員・事務局・ネット会員への体系的・実践的・政治政策研修
(政治スクールを作る、独自に立ち上げる) 市民的専門性の共有化が必要。
◎まとめ
坪郷先生から、ネットの過渡期を言葉にされているように思いました。
都議会議員が出て44年を経て、ネットがこれまで提案してきたことが社会の中で認知されつつあり、成果を生んできていると思います。ネットが発足した当初は、「女 子どもが」という蔑視の言葉が議員の中でも使われていたと聞いています。人権を無視した言葉です。そんな言葉にも負けずに活動を続けてきたネットです。
「ジェンダー平等」も、言葉はだいぶ浸透してきました。「女だから」「男だから」ではなく、人として考えて、生活者ネットワークを広めていきたいです。