いじめアンケートの内容・回数は適切か~2017年第一回定例会一般質問②

 「いじめに関するアンケートについて」 

昨年発表された「江戸川区総合戦略」では、「健全育成の充実」という事業の中でアンケートやきめの細かい相談体制を維持し、いじめや不登校の発生を抑制していくとして、いじめの認知件数を、2014年には227件あったものを、2019年には100件以下にするという目標を立てています。 

今、区内の小中学校で行われているアンケートは、「いじめ」に関するアンケートをはじめ、体罰や生活のことなど、数多くあります。このうち「いじめ発見・対応、いじめ防止のためのアンケート」は、区立小中学校での「いじめ防止キャンペーン」に合わせたアンケート調査として10年以上続いてきましたが、区はそのアンケート結果をどのように活用し、どのような成果が得られたのか質問しました。 

答弁は、行ったものを担任が読み、学級経営に活かしている。未然防止、再発防止に大いに役立っている。10月の1回であったが、1学期に1回以上は行うものとしてアンケートのも見直しをした。年に1回だと、その子どもの変化が分からないため。というものでした。 

いじめにより、命を絶つという悲しい出来事はなくならず、今月福島県では、中学2年生の女子生徒が、いじめを受けて自殺してしまいました。その女子生徒は、7月の学校のアンケートには「いじめを受けたことがある」と回答していましたが、10月のアンケートでは「いじめは受けていない」と答えており、学校では「収束した」と考えていたということでした。 

子どもたちの心は、日々の出来事の中で変化しており、その回答は、子どもやクラスの状態を必ずしも反映していないことを知らされます。 

区では、いじめ防止対策推進法の施行にともない別途「いじめアンケート」が、2014年から始まり、学期ごとに1回以上行われることになりました。先の調査と合わせれば、いじめに関するアンケートが最低でも年4回行われ、今年度初めて行った、学級経営のための「Q-Uアンケート」の中にもいじめに関する設問があることから、これを含めれば年5回実施されています。 

小学校低学年の子どもたちは、アンケートの中の言葉の意味が分からなかったり、どういうことが「いじめ」なのかすらわからないこともあるため、先生が設問を読んで意味を教えながら行い、また後半は集中力が落ちてきてしまうため、工夫をしながら行っているということです。アンケートのたびに、子どもたちは同じようなことを問われています。その設問には「あなたは、無視されたり、仲間はずれにされたりしたことがありますか」や「あそびの なかまに いれて もらえない ことが ありますか」などがあり、思い当たることのある子どもにとっては、自分の置かれている状況を何度も認識させられることになります。 

アンケートに答える行為自体に傷つくことも懸念されるところです。 

教育委員会が、こうしたことで、子どもたちの心が傷つく可能性があることを、どのように考えているのかを質問しました。 

答弁では、いじめ防止のために、いろんな声を聞くことが大切で、アンケートを行うことで書けると思う。言えなかったものを言える。書くことで安らぐこともあるだろう。1例をもって否定されたが、大変な場合はスクールカウンセラーが関わることになる。 

今回、私たちが学校の先生方に行った、「いじめアンケート」と「Q-Uアンケート」についての聴き取り調査で、最も多かった意見は「アンケートの数が多すぎる」というものでした。現場では、子どもに向き合うことよりも、アンケートを「こなす」ことに追われてしまわないかと危惧するものです。いじめに関する数々のアンケートの評価を行い、回数を含め、見直しが必要であると考え質問しました。 

答弁は、「子どもたちは学校で守らなくてはならないし、意見を持っている。見直し3回にしたばかりなので、見直すつもりはない。」でした。