江戸川区の電力は、再生可能エネルギー割合の高い業者から調達を~2017年第一回定例会一般質問③

「江戸川区の電力調達について」

昨年4月から電力の小売りが完全に自由化され、家庭でも電力会社を自由に選べるようになりました。選択の基準の一つに、その電力会社が供給する電気が、どのような方法で発電されているかがあります。日本リサーチセンターが、完全自由化前の2015年7月に行った「電力自由化に向けての意識調査」によると、電力会社を変更する意向を持つ人が購入先を選ぶ際には「再生可能エネルギーの使用量が多いこと」を重視しているとの結果が出ています。

2011年3月11日の東京電力・福島第一原子力発電所の事故を契機に、再生可能エネルギーの導入量が増える中、電力自由化に際して温室効果ガスの排出係数が小さい電気を選びたいとの意識が高まりました。そうした声に応えて、新たに参入した電力会社の中には供給する電気を再生可能エネルギーによる電源から仕入れる事業者も現れました。

しかし、電力小売り自由化に際して、供給する電気の電源構成の開示は努力義務にとどまり、全量固定価格買い取り制度に基づき認定された発電設備からの電気については「グリーン」「環境にやさしい」といった表示ができず、制度の英語表記である「FIT電気」と表示されることから、消費者にとって分かりにくく、電力会社の選択肢を狭めているとの声があります。

2月7日に「国及び独立行政法人等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する基本方針」の変更が閣議決定されました。それによると、官公庁が電力を購入する際に入札条件として電源構成を公開させ、温室効果ガスの排出係数が小さい電気を選ぶよう求めています。

江戸川区の入札時の電源構成の公開についての考え方を質問しました。

区は、「環境配慮に基づき行っている。入札に参加する場合は、自ら評価書を提出する。115点満点で70点以上ないと参加資格がとれない。それらの事業者の中から、最低価格の事業者と契約をする。また電源構成は、各社のホームページで公開されているので、それを確認している。」とのことでした。

また、電力購入時の入札では評価基準を設け、この基準をクリアした業者が入札に参加できることになっており、自治体が電力を購入する際に、これまでの入札条件では価格の安さが最も重視されてきたため、価格は安いものの、温室効果ガスの排出係数が最も高い石炭火力発電を電源とする電力会社が選ばれがちで、結果として、温暖化対策に逆行しかねない状況を生み出しています。

環境に配慮した電気を供給する電力会社を選定するにあたり、再生可能エネルギーの割合が高い業者を選定することについて、またそれが難しい場合、その課題はどこにあるのかを質問しました。

「区の未利用エネルギーや総合的な環境、参加資格を決めたもので、スケールメリットを生かして効果的に選びたい。大きな施設でもあり、調達能力も必要となってくるので、総合的に判断する。」というものでした。