非行少年と保護司 ~やり直しを支援できる社会へ~

ソーシャルジャスティス基金のアドボカシーカフェ

「非行少年と保護司~やり直しを支援できる社会へ」

ボランティアにの一つに「保護司」があります。

ボランティアだと知った時には、大変驚きました。少年院や刑務所を出所した人と会い、その後の生活を見守りながら寄り添っていくことが仕事です。今でこそオープンになっていますが、昔は公開されていなかったといいます。それは、「あのうちに入っていく人は、刑務所を出てきた人なのよ」という噂がたったりすることで差別が生じてしまうからだそうです。昔は、隣近所との交流が強く?あったためそういったうわさも、すぐに広まったのだと思います。

今回は、その保護司の方々と現代のテロ組織の解決には対話が必要だと活動している方々との意見交換でした。

 

ゲスト:田口敏弘(アクセプト・インターナショナル国内事業局長)

    中澤照子(1998年から保護司を務め、現在江東区で「Café LaLaLa」をオープン)

        https://www.youtube.com/watch?v=mmzBMERYV9w

    十島和也(プロレスラーとして活動しつつ、保護司を行う)

※アクセプト・インターナショナル:紛争解決には「対話」が大切と言われますが、現代のテロ組織とは対話が実現していません。また、空爆やどの武力的な取り組みでは解決することは難しく、時には激化させていまいます。だからこそ、私たちは人々の過激化を防ぎ、そしてテロ組織メンバーなど過激化してしまった人々の脱過激化と社会復帰を導く取り組みをしています。憎しみの連鎖を切り崩し、テロと紛争の解決に繋がる良い連鎖を創り上げることが私たちの仕事です。(HPより https://accept-int.org/)

 

◎グループに分かれたブレイクアウトルームでは、アクセプト・インターナショナルの田口敏広さん、フリーのライターの方、女子少年院(少女員)の講師の方、自称ボランティアとおっしゃるMさんと私でした。

Q:もし、隣に少年院や刑務所を出所した人が住んでいたら?

 ・隣の人が刑務所から出てきた人だということが、どのように自分の耳に入るかでも感じ方は違うのでは? 

 ・普通に接したい

 ・どんな人なのかわからないと怖いと思う。実際どのように接することができるか分からない。

 ・犯罪は、社会が起こさせるものだと考える。

 ・本当に正しいこととは、何だろう?

 ・教育の中では、背景を見ていくことが大事だと思う。やり直すことを、ルールで縛るのではなく、ゆるーく付き合いたい。

 ・保護司は、隙間を埋めることが仕事だと思う。相手を見ること(傾聴)が大事ではないか。

 

まとめでは、

保護司を続けることは難しい。しかし、続けていくこと。

社会復帰をあきらめないような社会にしていきたい。

とのことでした。

 

~~感想~~

世界的に見ても保護司という職業を生業とする人たちは、いないらしい。国家公務員のボランティア。任期は2年。成り手がいないことが課題でした。人間的にも素晴らしい方々が、保護司や更生保護女性会の活動を多く担っておられますが、今も名誉職の一つだと思われている側面があると思います。1回や2回話を聞く、というのではなく、相手の一生に関わって寄り添っていくことは、覚悟のいることだと思います。今回は、テロに対して対話を求め寄り添っていく活動と保護司の活動のお話を伺いましたが、それぞれの最終的な目標は、刑罰を科された本人が、当たり前に社会復帰できる社会になることなのかと思いました。

「共生社会」がうたわれていますが、この中に、今回のテーマでもある犯罪を犯してしまった人たちが、刑罰を受け、新たな気持ちで戻ってこられる社会ということも当然入っているわけですが、実際には、なかなか進まないのが現状です。マンションでは、お隣さんの顔を知らずに生活していることも当たり前になっています。昔は「向こう3件両隣」といった言葉があるくらい顔の見える、お互いをよく知っているお付き合いがありました。私たちは、個人の尊重とか言って、それを壊してきてしまったように思います。再構築ですね。犯罪をさせるのは、社会だというお話もありました。理想の社会とは、どのような社会なのでしょうか?

だれもが人権を尊重されて、意見を言えて、一定程度の生活水準が保証されいて、助けて!と声に出せる社会。間違ったらやり直しのできる社会。あまり濃くないゆる~い地域の見守りがある社会がいいと思っています。

地域のみなさんと見守りのある地域を作りたいと思います。