2021年第3回定例会一般質問② 「GIGAスクール構想について」

「GIGAスクール構想」に基づき、学校で貸与したタブレット端末などについてです。

 

2020昨年3月、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い保護者は「子どもを学校に送り出して仕事に向かう」という生活が、突然できなくなりました。

そして、前代未聞の学校の一斉休校を経験したわけです。

 

社会全体が混乱した中で学校現場では、子どもたちの学びを止めないために、どうすればよいのか、試行錯誤の連続であったと推察いたします。

それまでは、学校教育の情報化推進計画に基づき、機材の整備、教員のスキルアップを進めてきましたが、コロナ禍により、「ギガスクール構想」が前倒しとなりICT教育が一気に加速しました。

小・中学生1人に1台のタブレット端末は、2021年の今年5月末までに全小・中学校へ配布され、子どもたちへは夏季休業の前までには渡される予定でしたが、実際に児童生徒の手元に届いた時期は、学校によってまちまちとなっていました。

そして、タブレット端末が鉛筆やノートと並ぶ「新しい文房具」として活用できるようにと、Wi-Fi環境が整っていない家庭には、モバイルルーターの貸し出しも始めました。学校においても家庭においても、1人1台のタブレット端末を使用できる環境が整ったということになります。

一方社会は、コロナ禍により在宅ワークに切り替わる会社、雇止めをする会社など、家に居る大人が多くなりました。学校が夏休みで、子どもも保護者も家に居る状態になりました。 

保護者の目が四六時中子どもに目を光らすというわけにもいかないところに、タブレット端末があるのですから、子どもたちにはかっこうのおもちゃを与えられたようなものです。保護者からは、「子どもがYouTube漬けになっている、どうにかならないのか」という声を聞くようになりました。

学習のための端末であるという前提のもとに貸し出されたタブレット端末は、「学習用タブレット端末活用ガイド」と共に配られました。「ご家庭で使用時間等のルールを決め、有効な学習用具として取り扱えるようご協力をお願いします。」と書いてありました。

インターネットが、世の中に普及したとは言え使い方は家庭によってまちまちで、どのようなものなのかもわからないという家庭もあるのが現実です。家庭でルールを用いて使うというのは、一見合理的に聞こえますが、情報モラル、情報セキュリティ意識も社会全体がまだまだ高くない状況にある中では、もう少し丁寧に行う必要があったのではないかと考えます。

先日の子育て教育力向上特別委員会では、学校現場でのタブレット端末の使いかたについての報告がありました。「小学校では、教員が持つ指導用タブレットと児童が持つタブレットが異なり、指導がしにくい」「モバイルルーターの貸し出しをしたが、想定外の使い方があったようで、使用料が多い家庭もあった」「ITの得意な教員、得意ではない教員がいて、その使い方には差がある」ということでした。

 

①モバイルルーターを貸し出す際に、使い方についての説明を行い、時間やデータ量の使用の上限を決めるなど、学校と家庭の間において書面による約束ごとや決め事はあったのか。②タブレット端末の家庭での使用方法は、各家庭での約束のみできめられているのか。③小学校での教員用のタブレットと児童用のタブレットが異なることについて、教員の負担を考えれば早急に解決することが必要なことについての考え方。④コロナ禍による「ギガスクール構想」の前倒しによりICT化が進みましたが、2019年度から2022年度までの計画期間となっている第3次学校教育情報化推進計画の見通しなどを質問しました。