親江会主催 平和コンサート
今年は、11月28日に、親江会主催 江戸川区後援の「平和コンサート」を行いました。
昨年同様、コロナ対策を行いつつの開催となりましたが、昨年より親江会のご家族の方々も実行委員会に入ってくださり、どんどんアイデアの広がってとても見ごたえのある?(聴きごたえのある?)素敵な平和コンサートとなりました。
今年の演目は、移動演劇桜隊による朗読劇「8.6」と ロングトーンズの平和に向けたジャズのしらべでした。
桜隊は、1975年以来、広島で原爆の犠牲になった「移動演劇桜隊」の追悼のために活動を続けてきた「桜隊原爆忌の会」から、新しい俳優さんたちで結成されたグループです。
今回の作品「8.6」は、桜隊、原爆孤児、建物疎開の中学生、女学生の悲劇を描いた作品となっています。
もう一つの団体は、ジャズバンドの「ロングトーンズ」の演奏。
被爆2世を含むジャズ好きの男女8人のメンバーです。
江戸川区の地域のお祭りや病院、福祉施設をまわり活動をしており、フリューゲルホルン、テナーサックス兼クラリネット、ギター、ピアノ、ベース、ドラムス、ボーカルという構成で、楽しみながら奏でるジャズ特有の即興演奏に定評があります。
今回もロビーには、親江会メンバーによる原爆関係の解説記事と広島に落とされた原爆「ファットマン」の1/2の模型も展示されました。毎年様々な工夫を凝らして、いつまでたっても「国連 核兵器禁止条約」に批准しない日本の態度を批判し来場者へのアピールとなっており、ますます力の入った解説でした。
主催者である親江会は、1966年に、江戸川区在住の広島、長崎のヒバクシャの方々により設立されました。
毎年「原爆犠牲者の慰霊碑」のある江戸川区立滝野公園では、夏に「原爆犠牲者追悼式」を行っていますが、会員の方々も高齢となり、毎年10名近くの方々のお名前が、慰霊碑に刻まれているのが現実です。
数年前からは、被爆2世の方々も追悼式や平和コンサートなどの活動に参加してくださるようになりましたが、「後世に伝える」というところを考えると、当事者やご家族、そして私たちだけでは足りないように思います。
若い人たち、子どもたちへつなげることをもっともっと考えていかないといけません。葛西のお店で始まった「語り部の会」も、コロナ禍のために開催できていません。
親江会のみなさんは、証言を話してくださる時、身を削るようにして話してくださいます。どれほど決意と勇気のいることなのだろうと、胸が痛くなります。
すでに亡くなってしまった方の中には、私と戦争についての話をしているときに「(自分の)子どもたちとは話せないのよ」とおっしゃっていたことを思い出します。それまでの社会状況や家庭の事情もあったかもしれません。いろいろなご事情から「話せない」ということだったのだろうと思いますが、何よりも戦争当時を思い出すことが辛いということがあったと思います。
齢も重なってきたせいか、そういう思いや哀しみを受け取ってしまった重責をも感じているこの頃です。
この「平和コンサート」は、たくさんの方々とひと時、平和の大切さや戦争の悲惨さなどを一緒に感じ、考えることができるような「平和コンサート」であると自負しています。途中何年か抜けましたが、実行委員として初回から参加できてよかったと思っています。