ジェンダーの視点で広告における差別解消を求めます~東京・生活者ネットワーク
東京・生活者ネットワーク 女性部会では、日本経済新聞社のジェンダー平等の意識に欠けた広告に抗議する声明を出しました。
ジェンダーの視点で広告における差別解消を求めます
ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための機関、国連女性機関(UN Women)は日本経済新聞社に対し、4月4日に掲載した漫画単行本の全面広告について、抗議しました。 そこには胸が過度に強調され、ミニスカートの制服を着た女子高校生が描かれています。
日本経済新聞社は、アンステレオタイプ・アライアンス※1の設立時に発起人メンバーとして加盟しています。しかしこのようなステレオタイプ(固定観念)を描く広告は加盟規約に反すると、国連女性機関の日本事務所の所長は指摘しています。
ジェンダー平等を推進するためには、幼少期からの「無意識の刷り込み」をなくし、人権に基づいた包括的な性教育が必要です。また、女子高生がJKビジネスにからめとられていく現状を含め、女性に対する性暴力をなくしていきたいと生活者ネットワークは政策提案をしてきました。
メディアは大きな影響力を持っています。そして広告が放つメッセージ性は社会の意識をつくり出していきます。問われているのは企業の姿勢であり、社会的責任です。このたびの国連女性機関からの抗議を真摯に受け止め、社内の見直しにつながることを強く期待します。
この件は、一例に過ぎません。ジェンダー平等の実現を含むSDGsが各企業で推進されていますが、性をステレオタイプに捉えたメッセージ発信や性の商品化、女性蔑視発言が続くようでは、上辺だけの取り組みに終わってしまいます。
今回の件では社内からの意見はなかったということですが、自己矛盾に内側から気づき、変えてほしいと願います。そして、疑問に感じたら声をあげることこそが、日本のジェンダー平等を推進する大きな力になると信じ、東京・生活者ネットワークの声明とします。
※1 アンステレオタイプ・アライアンス Unstereotype Alliance:UN Women が主導する、メディアと広告によってジェンダー平等を推進し有害なステレオタイプ(固定観念)を撤廃するための世界的な取り組み。