2022年 第3回定例会 2/3 戦争を次世代に伝えることについて 

戦争を次世代に伝えることについてです。

終戦から77年が経ちました。

今年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻の長期化は、これまで以上に多くの方が戦争について考える機会となっています。最近は、ほとんどリアルタイムで映像が配信されるようになり、遠いところでの話と思っていた私たちも「戦争は起こりうる」ということを実感しています。

8月15日付の『広報えどがわ』には、江戸川区原爆被害者の会「親江会」の山本会長が、「世代を超えて語りつぐ 戦争の語り部」として紹介されていました。「証言はできない」「思い出したくない」とおっしゃっていた方々のうちのお一人でしたが、今は「伝えなければ」というお気持ちで証言されているということでした。

先日「親江会」の出前授業が、松本小学校で5・6年生対象に行われました。証言と「親江会」監修の「サダコの4675日」の上映を行い、そのあと原子爆弾「リトルボーイ」の原寸大2分の1の模型の説明などがありました。

「サダコの4675日」は、松本小学校の先生方がナレーター役なので、子どもたちは、引き込まれていきました。終了後の感想には「今日の話を聞いて、戦争を体験していなくても、戦争は言葉であらわせないくらい恐ろしいものということが分かりました」「今日、家に帰ったら家族に伝えようと思いました」「最後に思ったことは、ぼくはこうして楽しく生活できて、ともて幸せだと思いました」などがあり、こうした「人から人に伝えること」が、最も心に残るものなのだと思いました。

「親江会」の出前授業は、年に5~6校くらいだそうです。

学校が行いたくても、時間を作り出せない現状があるということです。

全ての学校の子どもたちが「サダコの4675日」を観て、平和な日常が送れることの大切さを考えるきっかけにしてほしいと思います。

出前授業を取り入れることや高齢化している証言者に代わる「語り部」の育成が必要であると考えます。平和教育の延長線上にある「語り部」の育成については、区に検討してほしいと考えています。

また、本区では毎年3月10日に小松川さくらホールで東京大空襲犠牲者追悼式が行われており、その隣の公園には、東京大空襲にあいながらも奇跡的に残った江戸川区の文書庫と1991年に寄贈された「世代を結ぶ平和の像」があります。

その小松川さくらホールには、4年前より「江戸川区平和祈念展示室」が開設されていますが、4年前より展示は変わらず、展示しているだけになっていることは、大変残念になりません。ここでも説明を聞けたり、映像を観たりといった工夫もあると、さらに印象に残るのではないかと思います。文書庫に保管されていた文書を守った職員の話などは、語りついでいくべき事柄だと思います。

先日地域で「篠崎に対空砲が設置されていた」という話を伺いました。調べてみますと、旧陸軍の篠崎飛行場があり、高射砲陣地と呼ばれていたがわかりました。当時を知る方々からの声を集めて、形に残し、伝えていくことは、大変貴重なことだと改めて感じ、「語り部」を養成することや江戸川平和祈念展示室の活用についての見解を求めました。

また、平和教育の一環であるこのような活動を、積極的に教育委員会としても取り入れていくことを要望しました。