2023年 第1回江戸川区議会定例会 1/3  循環型社会にむけて 

2023年第1回江戸川区議会定例会が、2023年2月15日から3月24日(38日間)で開催され、その間に8日間に及ぶ来年度の予算特別委員会も開かれました。順次ご報告いたします。

 

定例会での一般質問は、①「循環型社会に向けた取り組みについて」 ②「有機農業の推進について」 ③「総合レクリエーション公園等のリニューアルについて」の3項目です。

 

◆1/3循環型社会に向けた取り組みについて」◆

江戸川区では、「ともに生きるまち」の実現に向けてSDGsに積極的に取り組んでいます。2022年度は「SDGsの行動を通して理解を深める1年」と位置付けて、2月は「SDGsえどがわ10の行動」では「とにかくリサイクルしよう」と呼びかけています。私たち生活者ネットワークは「混ぜればごみ!分ければ資源!」の声かけで、容器包装プラスチックの回収や、古着・古布リサイクル回収にも取り組んできました。

江戸川区の粗大ごみの1位は布団です。2位は、たんすなどの箱物家具、3位は椅子と順位は毎年入れ替わりながらも家具類が上位を占めています。家具類や自転車、子ども用品などの「まだ、つかえる」ものについては、リサイクルバンクを設置しリユースに取り組んでいます。

リサイクルしていない布団は、2008年度には43,038枚であったものが、2020年度には78,239枚、2021年度は76,612枚と年々増加しており、23区全体では2020年度1,029,193枚となっています。

布団は、寝るときに畳の上に敷いて、朝になればたたんで、押し入れにしまって、部屋のスペースを広く使ってきました。それが、たたみからフローリングになり、布団からベッドへと生活スタイルが変わり、布団も綿布団から、羊毛、羽毛へと、種類も豊富に変わってきました。かつては、どこの家庭でも布団は打ち直しをして繰り返し使ってきましたが、大量生産、大量消費の時代となり、現在ではかけ布団、敷布団、枕までついた化繊布団一式が4,000円ほどで手に入るようになりました。そして捨てる時は、400円の手数料で粗大ごみとなっています。

このようにして綿布団の打ち直しをするより、使い捨てにするほうが「簡単で安くすむ」ことから、布団が粗大ごみの1位となっていると推測しています。

日本の文化であった、綿から布団を作り、打ち直しをしながら繰り返し使っていくこと。これが今なくなりつつあります。

区内で126店舗あった布団店は、今や14店舗が残るのみです。このままいくと、布団の打ち直しができる職人たちの技術はなくなってしまいます。修理しながら使っていく文化こそ、これからの循環型社会の形成に向けて残すべきものと考えます。

えどがわエコセンターでは、「打ち直しの綿から座布団を作る 物作り体験」や「長座布団づくり講習会」をとおして修理し、繰り返し使うことの講習会を開催しています。また、区内のある小学校では、綿の栽培を通して環境学習を行っていたとも聞いています。

粗大ごみとして回収された布団は、中央防波堤内側埋立地にある粗大ごみ破砕処理施設へと運ばれて破砕され、その後は燃やすごみとして燃やされています。この焼却してしまうルートを資源にするルートに変えることが必要だと考えます。

例えば、羽毛布団は、ダックやグースの鳥の羽を、脂や獣匂がなくなるまで何度も洗浄し、布団として製品化されます。同じように、粗大ごみとして出された羽毛布団も、何度も洗浄することで再利用できる仕組みもできてきおりリサイクル布団として販売する事業者もでてきています。

綿布団は、これまでも打ち直しをして再利用してきましたが、そのほか粗大ごみと出されたものは、リサイクルコットンとなり混合製品として再び布団となるものもありますが、糸や生地、ぬいぐるみなどの詰め綿や軍手や縫製品として生まれ変わっています。そして、羊毛も同様にリサイクルする事業者が出てきています。

そこで、以下の質問をしました。

  • どのように布団がつくられているのか、綿の種をまき、栽培し、育った綿を摘み、布団を作る、そして再び綿を打ち直して布団をつくる、という一連の流れを体験することで持続可能な社会を創るために、私たちができることを考えるきっかけとなります。区が保有する土地、あるいは、河川敷などを使って、SDGsえどがわ10の行動をおとなも子どももより実感できるような取り組みを行てはどうか

回答:これまでも綿花の栽培を行ってきた学校がある。えどがわエコセンターでもふとんのリサイクルの講座を行ったりしている。今後は、工夫を重ねて環境教育を行っていきたい。

  • これまで布団の回収を行ってこない理由

回答:23区のうち15区が、回収を行っていない。行ってこなかったのは、保管場所やコストの面からできなかった。2100年を見据えて、ごみの全量リサイクルを目指す本区として、民間企業との連携を視野にいれながら研究していく。

  • 布団を回収し、内容物によって仕分けを行い、それぞれの再利用事業者に渡すというルートを作ることを検討してはどうか

回答:2100年にむけて全量リサイクルの実現を打ち出している、布団も当然入っている。