ハイリスクの子どもたちへの支援 ~ユースウエルネス KuKuNa~
街の保健室 ユースウエルネス KuKuNa
まつしま病院は、産婦人科・小児科・診療内科標榜の病院です。
社会的ハイリスク妊婦のための外来の設置やDV・性暴力被害・児童虐待への支援などを、古くから積極的に行ってきている病院で、2023年8月からは、認定NPO法人フローレンスと提携して無料参院事業にも参加しています。
そんなまつしま病院が、街の保険室として ユースウエルネス「KuKuNa(くくな)」を独立させました。
「KuKuNa」とは、太陽の光が差し込む所という意味のハワイ語で「ひだまり」という意味だそうです。
親や友達に言えない・聞けないことを、助産師をはじめ専門家に、ワンコイン(500円)で相談できます。
室長の幸崎若菜さんは、「様々な事情や状況を抱えた子どもやその親が安心して生活していくために、立場や職種、領域を超えて、連携していくことが当たり前になり、子どもの気持ちに寄り添い、その可能性を伸ばすことができる街づくりに寄与したい」とおっしゃっています。
日本の若者を取り巻く現状として、10代の人工妊娠中絶が年々増加していることが衛生行政報告から明らかになっています。
「人権」としての性教育がなされていないことが原因だと、私は考えています。
KuKuNaの個別思春期相談は、木曜日と土曜日の週2日。
右の表を見ると、毎回10名前後の相談があります。この数字を多いとみるのか、少ないとみるか。
すでに江戸川区児童相談所ともつながり、警察とも連携のあるそうなので、この数字の人たちは重い案件なのではないかと推測します。まだまだ少ない数字とみています。
KuKuNaと繋がった子どもたち・女性たちは、どのような症状や課題があったにせよ、少なくとも大人と繋がり、専門家につながって回復方向に向かっていると思うことが出来ますが、いろいろな機関につながらない、さまよっている若者たちが、助けを求めているにちがいない!とも思っています。
スウェーデンでは、このようなクリニックが国内に約250か所あまり開設されていて、13歳~25歳の若者ならだれでも無料で利用できるそうです。そして若者の90%がユースクリニックを利用したことがあり、そのうちの2割は10回以上利用したことがあるということも伺いました。
「ユースクリニックがあれば安心」ということではありませんが、少なくとも学校で教えられなかった個々の悩み等に対して、フォローをする機関が身近にあるというのは心強いことだと思います。
ウエスネスは、「健康を基盤とする充実した生き方」を意味する言葉です。
ユースウエルネス KuKuNaは、若い人たちの妊娠の不安や毎月の生理のこと、身体の仕組み、パートナーや子どもたちなど家族への悩みへも助言してくれます。このような施設が施設ができたことを、たくさんの方に知ってほしいと思います。
※右の写真の真ん中あたりにある、三角帽子が逆さになったようなプラスチックは「月経カップ」というものだそうです。
最近は、生理用品も種類も多様になってきて、思わずみてしまいます。
学校ではもちろん、教えてくれません。
課題があるのは少女たちではなくて社会そのものです。 生まれた時から一人ひとりに人権があって、自分の身体を大切にして「自分の人生を豊かに、幸せに生きていく」ということを、私たち大人自身もそうですが、子どもたちに日本の教育の中で教えられてこなかった、ということが問題だと考えます。 SRHS(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ 性と生殖に関する健康と権利)に基づく性教育が、就学前から行われるように、行政に求めていきます。