2019年9月定例会③ 「若者とおとなのひきこもり」について

③子どもとおとなのひきこもりについてです。

今年に入ってから、ひきこもり傾向にある人に関連した事件が、2件大きく報道されました。1件は引きこもり傾向にあった本人51歳が起こした、無差別児童殺傷事件。もう1件は、ひきこもっていた息子44歳を親76歳が殺害した事件です。まさに「8050」問題の当事者世代の事件です。

内閣府は、今年3月「生活状況に関する調査」を公表しています。

「ひきこもり」といえば、10代のことと思いがちですが、自宅に半年以上閉じこもっている「ひきこもり」の40歳~64歳の人が、全国で推計61万3000人もいることがわかりました。ほぼ同じ条件で2015年度に行った調査での、15歳~39歳の推計54万1000人を、約7万人以上回っています。

つまり、15歳~64歳を単純に合わせただけでも100万人を超える当事者がいる計算となります。

この調査では、ひきこもりの期間は7年以上が半数を占め、ひきこもりの高齢化、長期化が明らかになりました。

ひきこもりになったきっかけは、「退職」、「人間関係がうまくいかない」、「病気」、「職場になじめなかった」、「就職活動がうまくいかなかった」という回答が上位を占めていました。

市区町村には、利用可能な相談窓口や支援関係機関の情報の集約と住民への発信、早期発見・早期支援につなげるためのネットワーク構築やひきこもり本人が安心して参加できる居場所の提供、訪問支援や居場所運営等へのサポーター派遣などが求められています。

岡山県総社市では、ひきこもりを「様々な要因によって社会的な参加の場面がせばまり、自宅以外での生活の場が、長期にわたって失われている状態」とし「義務教育終了後であって、概ね6か月間以上社会から孤立している状態」を「ひきこもり状態」として、2017年から社会福祉協議会がひきこもり支援センター「ワンタッチ」の運営を受託しています。

そして、本人へのメッセージを、「ひきこもりの方の多くが焦りや不安を抱えています。自分でこたえが見つからないときは、まずご相談ください。一歩を踏み出すあなたと一緒に考えます。」としており、ご家族へは、「誰かに話をすることで気持ちが楽になり、一緒に考えると問題の整理ができます。まずはご家族だけでもご相談ください。」として、窓口を開いています。

引きこもり状態にある人に目標を定めるのではなく、先ずは「話を聞きますよ」という姿勢をもったわかりやすい窓口をつくり、アウトリーチ型支援や、居場所づくりなどの支援をしていくことが必要だと考え、実態調査を行うことや、寄り添った支援を求めました。